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2004年7月 2日

Dog Man Star: Suede

1994年発表のSuedeのセカンドアルバム。Suedeを昔から知っている人には、「なんでSuedeのアルバムの最初のレビューがこれ?」と思う人もいるかもしれないけど、好きなんですよ、このアルバム。おそらくはSuedeのアルバムの中で一番ね。
 最初に言っておかないといけないのは、このアルバム、不遇のアルバムだということ。何が不遇かって言うと、そう、このアルバムを発表直後に、Bernardが脱退してしまったこと。そしてバンドがどうなるかわからないという情勢の中でBrettがラリっちゃって大変だったこと(笑)。そんな音楽とは関係のない部分で「クソ」扱いされてしまったわけなんですわ。
 でも純粋に音楽だけに耳を傾けてみると、本当に進化、いや深化した音を作ってる。イメージの路線としては、1st『Suede』の醸し出した「退廃とタブー」というものを踏襲しているんだけど、その退廃の中の美しさっていう点では、1stはこのアルバムの足元にも及ばないと思う。そして1stとの圧倒的な違いは、「退廃=美しさ」「タブー=喜び」という直線的な意味論的つながりではなくて、その媒介として悲しさや空虚さが介在していること。1stはどちらかというと、「タブーを認め、快楽に浸れ」、Andy WarholがVelvet Undergroundの売り出しに使ったようなPR手法が先行していたような感じなんだけど、2ndたるこのアルバムでは、PR的なメッセージ以上に、音楽で退廃を表現し、音楽でタブーに触れている。その結果として、テーマ(退廃)とその表象(美)の間にあるさまざまな感覚を呼び起こすことができているんじゃないか、と。
 1stの特徴だった「激しいギターロック」は、M2「We are the pigs」、M3「Heroine」、M7「New Generation」でしっかりと継承。相変わらずBernardは目立ちすぎないようなものすごいアンサンブルメロディをセクシーに弾いてる。途中死にたくなるほど美しい「The Wild Ones」をはさんで、M9「The 2 of Us」から最終曲「Still Life」まではストリングスを大々的に使った激しさの中に底なしの悲しさが埋め込まれた大ロックチューンの波。制作途中のインタビューでBernardは「今度のアルバムは悲しくも激しいロックアルバムだ」っていってたけど、この最後の展開は、ミッドテンポ〜スローテンポな曲がほとんどだし、彼らのアイデンティティでもあった「歪んだギターサウンド」はあんまり聴くことができない。それでもギターチューン以上の激しさと悲しさとを明確に感じることができる。やっぱり、このアルバムでSuedeはほんとうに深化したんだと思う。
 それにしても惜しいのは、やっぱりBernardの脱退...なんで...。正直、もっともっと聴きたかった。Anderson & Butlerという90年代最高のソングライティングチームの曲を。Bernardのソロを聴けば、音楽性の違いというのはある意味ではっきりとわかる。でも、それでも聴きたかった。これってやっぱりオーディエンスのエゴかなあ。でも、聴きたかった...。もうやめよう、こんなこと。

01 introducing the band
02 we are the pigs
03 heroine
04 the wild ones
05 daddy's speeding
06 the power
07 new generation
08 this hollywood life
09 the 2 of us
10 black or blue
11 the asphalt world
12 still life

投稿者 gakuzou : 2004年7月 2日 03:07

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